アンコール(クメール)王朝と26人の王
歴代の王の名を見ると「なんとかヴァルマン」ばかりです。しかしアンコール王朝では世襲ばかりでなく実力で王位につく者も多くいました。
そのため新たに王に即位するたび、その実力と権威を誇示する意味で寺院の建立や治水を精力的におこなったのです。アンコール王朝時代に建立された寺院はじつに600とも700ともいわれ、歴代の王とどの寺院が関係あるのかを知っておけば遺跡観光もずっと面白くなるはずです。
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目次
アンコール王朝の歴代王
802〜1431年まで遷都を繰り返しながらおよそ600年続いたアンコール(クメール)王朝には26人もの王がいました。
初代王ジャヤヴァルマン2世
座位期間802〜834年。ジャワ島のシャイレーンドラ王朝より独立しアンコール王朝を建国した初代王。プノン・クレーンで即位し、ロリュオス遺跡群であるハリハラーラヤを王都と定めました。
4代目王ヤショーヴァルマン1世
座位期間889〜910年。先代インドラヴァルマン1世の子で、世襲ではあったが跡目争いが起こりハリハラーラヤが戦火に見舞われたため、王都をアンコールの地であるヤショーダラプラに遷します。
プノン・バケンや東バライなどを造営しアンコール遺跡群の礎を築きました。
7代目王ジャヤヴァルマン4世
座位期間928〜942年。王都をヤショーダラプラからコー・ケーに遷しましたが繁栄は長続きしません。わずか16年で新たな王都は終わりを告げます。
9代目王ラージェンドラヴァルマン2世
座位期間944〜968年。ヤショーダラプラへ再遷都。これ以降、王都は遷されることなくアンコールの地で繁栄していきます。バンテアイ・スレイはラージェンドラヴァルマン2世の参謀によって建立されました。
18代目王スールヤヴァルマン2世
座位期間1113〜1150年。ついにアンコール・ワットを建立した王の登場です。他にもベン・メリアなどすばらしい遺跡を多く残してくれました。
21代目王ジャヤヴァルマン7世
座位期間1181〜1218年。アンコール王朝の英雄中の英雄で、今でもカンボジアでは絶大な人気を誇っています。
チャンパ軍(ベトナム中南部)によって奪われたアンコールの地を取り戻すと1181年に即位し、1190年にはついにチャンパ王国を滅ぼします。
これまでアンコール王朝はヒンドゥー教を信仰していましたが、仏教徒であるジャヤヴァルマン7世は国家宗教を仏教に改宗しました。
アンコール・トムを再建し新たな首都に定めるとアンコール王朝の最盛期を向かえます。アンコール・トムのほか、タ・プロームなど有名な寺院を建立しています。
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