アンコール遺跡群 大回りルート
大回りルートは「アンコール・トム」の北門を起点として、巨大な人工貯水池であった東バライの周囲を時計回りにぐるりと大きく巡っていきます。
大回りとはいえトゥクトゥクでも十分に耐えることができる範囲です。車のチャーターが必要な距離ではないので気軽に回ることが可能です。
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見どころの多い大回りルート
小回りルートに比べると遺跡の数こそは少ないですが見所は盛りだくさん。ここで紹介しているほぼ全てに必見の価値があるので1日で見てまわるのは難しいと思います。
プリヤ・カン
プリヤ・カンは寺名であり、ジャヤヴァルマン7世が王に即位した際の称号でもあり、その意味は「聖なる剣」となります。なんだか格好いいですね。
ジャヤヴァルマン7世が父の菩提寺として建立し、中央祠堂には王の崇拝する観世音菩薩が祀られました。やがて観世音菩薩があった場所にはストゥーパー(仏塔)が建てられ現在に至っています。
プリヤ・カンは壊れやすい建材だったことに加えあまり修復がされおらず、「タ・プローム」と同じように巨大な樹木が建物を飲み込む景色を見ることができます。
ニャック・ポアン
ジャヤヴァルマン7世によって建立されたニャック・ポアンは「絡み合う蛇」という意味。「プリヤ・カン」のバライ(人工貯水池)に浮かぶ寺院で鏡のような美しい池に架かる橋を渡っていきます。
ヒマラヤ山脈にある万病を治癒するという伝説の湖「アナヴァタプタ」を模しているとされています。沐浴によって病気を癒す現代でいうところの病院のような医療施設だったそうです。
クオル・コー
クオル・コーは「ニャック・ポアン」の向かいにある小さな寺院で観光客の姿はほとんどありません。訪れる者がいない寂しげな雰囲気を持っており、廃墟感を味わいたい方にはおすすめです。
タ・ソム
タ・ソムはジャヤヴァルマン7世によって建立されました。規模は小さいですが塔門の上には「アンコール・トム」と同じように四面の観世音菩薩が彫られています。
タ・ソムには美しく様々な表情や仕草をしているディヴァダーが数多くいます。じっくりと探して見てみてください。
東メボン
東西約7km、南北約1.7kmに及ぶ巨大な人工貯水池であった東バライ。その中心に建つピラミッド型のヒンドゥー教寺院が東メボンです。同じ規模の西バライはいまだ水をたたえていますが、東バライは完全に干上がっており当時の面影を感じることはあまりできません。
かつて水域であった数少ない面影のひとつに東メボンには桟橋跡が残っています。当時は水上に浮かぶ美しい寺院の姿があり舟を使い渡っていたことが想像できますね。
東メボンには桟橋跡のほか、他の遺跡にはない大きな特徴があります。それはピラミッドの1段目と2段目の四隅に立つ大きなゾウの彫刻。寺院を守り続けているゾウ達の視線の先には今でも水辺の風景があるのかもしれません。
バンテアイ・サムレ
バンテアイ・サムレは「サムレ族の砦」という意味。「ミニアンコール・ワット」とも呼ばれており中央祠堂の形も確かによく似ています。
屋根の上に槍先のような飾りが出ているのがわかるでしょうか?この造りはバンテアイ・サムレでしかみられない特徴だそうです。
アンコール・ワットと同じく回廊があり珍しいレンガ造りですが、外側の第1回廊は大部分の壁と屋根が残っていません。
プレ・ループ
「東メボン」と同年代に建立されたピラミッド型寺院のプレ・ループは「体を裏返す」という意味。火葬の儀式がおこなわれる祭場であったのではと云われています。
プレ・ループは夕日鑑賞スポットでもあります。見晴らしの良い高台から広大なジャングルに沈んでいく夕日を眺めることができます。
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