天空の・・・密林の遺跡 ベン・メリア
シェムリアップ市内から東へ約50km。車でおよそ1時間半の距離を走ると密林の遺跡ベン・メリアにたどり着きます。
ベン・メリアはアンコール遺跡群のひとつではありますが、アンコールパスは使えず別途入場料が必要ですのでご注意ください。
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滅びの美学を感じられる遺跡
「蓮池」の意味を持つベン・メリアはほぼすべてが倒壊し、木々に日光を遮られた瓦礫には苔が深く生しています。その姿は廃墟そのもので滅びの美学を感じさてくれます。
ラピュタのモデル?
深い緑に覆われたベン・メリアを建立したのは、天帝と呼ばれたメリア・トエル・ウル・ラピュ・・・、嘘です。・・・嘘をつきました。
なぜこのような嘘をついたかというと、ベン・メリアは「天空の城ラピュタ」のモデルになった(のでは?)といわれているのです。いかがでしょうか。ラピュタが崩れ落ちていく雰囲気によく似ていると思いませんか?
謎に包まれたベン・メリア
さて、話を元に戻します。
ベン・メリアは11世紀末期〜12世紀頃、スールヤヴァルマン2世により建立されたといわれています。ただし当時の記録が乏しいため正確な時期は判明していません。スールヤヴァルマン2世といえば「アンコール・ワット」を建立したことで有名な王様です。
お互いの造りは非常に良く似ており「東のアンコール」といわれるほどで、「アンコールワット」を造る練習をしていたのではないかと推測されています。その全貌は明らかになっておらず、すべてが復元されれば「アンコール・ワット」の規模を凌ぐのでは?とも言われています。
ベン・メリアはまだ発掘や調査がほとんど進んでいません。公開されている部分も敷地の一部分だけで、多くの謎に包まれた神秘的な遺跡なのです。
ほんとにラピュタのモデル?
現地ではベン・メリアの存在は知られていましたが、当時のカンボジアは内戦状態であり放置されたままになっていました。内戦終結後に地雷撤去作業をおこない、2001年になってようやく一般公開されたのです。
あれ?そうするとひとつ大きな矛盾が生まれてしまいます。そう、「天空の城ラピュタ」が発表されたのが1986年ですから、2001年に一般公開されたベン・メリアはモデルであるはずがないのです。
しかしモデルではなかったにしろ、ベン・メリアの雰囲気を体験した人々からそのような噂話がでてきても不思議ではありませんね。想像が作り出した世界が現実に存在したなんてとても素敵なことだと思います。
ここに来たら心の中で唱えましょう。
「バルス!」
注意して歩こう
遺跡は見学用のコースが整備されている以外はほぼ発見されたままの状態で保存されています。そのためいつ倒壊してもおかしくない場所も多く存在しています。
必ず整備されている安全な歩行者通路を通り、ガイドがいる場合にはその指示に従ってください。特に雨の日は大変滑りやすくなっているので十分に注意してください。
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