アンコール王朝最古の都 ロリュオス遺跡群
アンコール(クメール)王朝が最初に都に定めたハリハラーラヤ(ロリュオス地方)は、つまりはアンコール王朝最古の都であり、その都跡がロリュオス遺跡群と呼ばれています。
シェムリアップ郊外にあるロリュオス遺跡群ですがそれほど距離は離れていません。「アンコール・ワット」や「アンコール・トム」が集まる北部が観光のメインとなってしまいますが、時間が許せば東の古都ロリュオスにも足を運んでみてください。
スポンサーリンク
アンコール王朝最古の都
802年、ジャヤヴァルマン2世はインドネシアのジャワ島に勢力を誇っていたシャイレーンドラ王朝から独立を果たしました。プノン・クレンで初代王に即位すると、およそ600年もの繁栄が続くアンコール王朝の幕が開いたのです。
アンコール王朝は何度か遷都していますが、初代王ジャヤヴァルマン2世はシェムリアップ市内から約15km東にあるハリハラーラヤの地を最初の王都に定めました。
やがて889年にヤショヴァルマン1世が4代目の王に即位し、プノン・バケンを中心とするヤショーダラプラに遷都するまでの間、最初の都として栄えたのです。
バコン
バコンはインドラヴァルマン1世により建立されたハリハラーラヤの国家寺院であり、アンコール王朝で初めてのピラミッド型寺院です。
現在見ることのできる最上部の祠堂は12世紀に再建されたものであり、当初建立されたままの姿ではありません。
最上部の祠堂を除く造りはインドネシアのボロブドゥール寺院に似ており、ジャワ島のシャイレーンドラ王朝の影響を色濃く受けていたと推測されます。独立したとはいえ敵対していたわけではなく、人々や技術の交流があった証でもあるわけですね。
プリヤ・コー
ご覧ください。この寺院は単なる寺院ではございません。879年に建立された、なんとアンコール王朝で最古のヒンドゥー教寺院なのです。
アンコール遺跡群には大小あわせて600ほどの遺跡があるそうですが、その中でも最古の寺院だと思うと感慨深さがあります。
プリヤ・コーはインドラヴァルマン1世が、初代王であるジャヤヴァルマン2世の菩提寺として建立したとされています。「聖なる牛」の意味であり、その名のとおり祠堂の前ではシヴァが出てくるのを聖牛ナンディがお座りをして待っています。
プリヤ・コー入口の向かい側には「アンコール・ワット」と「プリヤ・コー」の模型が置いてありました。こちらはアンコール・ワット模型です。
こちらは「プリヤ・コー」の模型で本来の姿が立体的によくわかります。現在残るのは6塔の祠堂と壁の一部だけですが、こうしてみると立派な寺院だったという感じがしますね。
ロレイ
ヤショヴァルマン2世が、インドラヴァルマン1世の菩提寺として建立しました。
今ではその面影はほとんどありませんが、当時は貯水池の小島に建つ水上の寺院だったそうです。
スポンサーリンク