激動の歴史が残る台北駅周辺の城内エリア
台北駅周辺は清朝時代に建てられた台北城の城壁に囲まれていたエリアであり城内と呼ばれていました。
現在も残る北門や東門などは、その名のとおり門であり城内への入口だったのです。城内エリアには日本統治時代から戦後の激動期の歴史が色濃く残されています。
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中正紀念堂
中正紀念堂は初代中華民国総統である蒋介石の没後、哀悼の意を込めて建てられたものです。
人気の観光スポットであると同時に、広大な敷地は本堂をはじめ国家音楽庁、国家戯劇院、公園広場があり地元市民の憩いの場となっています。
自由広場門
中正記念堂の西側にある高さ30メートル白亜の門で5連のアーチが美しい。
近くで見ると写真よりずっと迫力があってビックリしますよ。
本堂
高さ70mにもなる巨大な本堂の屋根は八角形になっています。これは蒋介石の義兄弟である孫文が唱えた「忠・孝・仁・愛・信・義・和・平」の八徳を表しているそうです。
本堂の中には蒋介石の巨大な銅像があります。背中の壁には蒋介石の政治理念である「倫理、民主、科学」の文字が刻まれています。
忠烈祠と同じく中正紀念堂にも儀仗隊の衛兵がおり警護の任務に就いています。
儀仗隊(衛兵)交代式
衛兵を務めるのは陸海空軍から選抜されたエリート達。隊長を先頭にこれから警護を就く2名を引き連れ、独特の行進で蒋介石の銅像へ進んでいきます。
これまで警護に就いていた2名、これから警護に就く衛兵2名の交代をおこないます。
交代する衛兵達がお互いに向き合う。敬礼も格好いいですが、このポーズもなんか格好いい!
交代式を終えると隊長は任務に就いていた2名を引き連れ本堂を後にします。
本堂内で毎日9時から17時まで1時間おきに交代式が行われるので絶対に見ておいた方が良いですよ!また忠烈祠でも毎日交代式を見ることができます。
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旧台湾総督府庁舎
旧台湾総督府庁舎は日本統治時代の1919年に建築されました。
60mの庁舎はレンガ造りとしては当時日本一の高さを誇り、台湾で初めてのエレベータを備えるなど最新の建物でした。第二次世界大戦時には空襲により被弾し大きな被害を受けましたが、修復され当時のままの姿を今日に残しています。
旧台湾総督府庁舎は今でも現役で、現在は中華民国総統府として中華民国総督官邸となっています。
平日の午前中には1階のみですが内部の見学ができます。また不定期で終日すべての階が見学できる日もあり日程は総督府のHPで確認ができます。パスポートを忘れずに持っていきましょう。
ニニ八和平公園
もとは台北新公園と呼ばれていましたが、二二八事件で犠牲となった人々の鎮魂を願い紀念碑が建てられ、名称も二二八和平公園と改められました。
戦後ポツダム宣言の受諾により台湾は日本から中華民国に編入されました。中国大陸から来た中国国民党の官僚や軍人による差別的な措置、日本統治時代と比べ悪化していく経済や治安。このことに対し台湾住人の不満は高まっていったのです。
この不満が引き金になり、これまで日本国籍を持っていた本省人と、中国大陸から来た外省人との間で起きた大規模な抗争が二二八事件です。この事件により2万8千人ともいわれる多くの人命が失われ、台湾で最も悲惨な出来事として受け止められています。
北門(承恩門)
北門(承恩門)は台北城にあった城門のひとつで、現存する門のうち清朝時代の姿を残す唯一の門です。
その他の門は修復がおこなわれたのですが、修復というよりは建て替えであり、まったく当時の原型を留めない形となってしまいました。
城内エリアの行き方
最寄りの駅は異なりますが、それぞれ徒歩でまわることができる距離です。
【中正紀念堂】
MRT「中正紀念堂駅」下車。5番出口を出てすぐ。
【旧台湾総督府庁舎】
MRT「台大医院駅」下車。1番出口を出て公園路を南へ歩く。大通りを右折し直進。
【ニニ八平和公園】
MRT「台大医院駅」下車。1番出口を出てすぐ。
【北門】
MRT「北門駅」下車。徒歩3分。台北駅から行く場合は駅前地下街「Z9出口」か「Z10出口」から徒歩3分。
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